インドの酒事情 その1

インドは酒飲みにとってストレスを感じる国である。

飲酒は良い行為ではない
上位のカーストの人ほど厳格な菜食主義者となり、飲酒はしない。つまり飲酒は良いことではない、ということだ。

Dry Day(禁酒の日) 国民の祝日、地方のお祭り、選挙の日など事ある毎に禁酒の日となる。ガンディーさんの誕生日(祝日)も禁酒。(日本では誕生日は、皆で酒を飲んで祝うのに)
この日酒屋は閉店、ホテルのレストランでも酒は飲めない。田舎のホテルだとミニバー(冷蔵庫)にも酒は入っていない。従って酒好きの人は前日に必要量を確保しておく必要がある。私も最初は事情が分からずに苦労した。
飲めなければ飲まなければいいのではないかという人もいるが、その人は酒飲みの心情をよく理解していない。飲めないとなると余計に飲みたくなるのが酒飲みというものだ。
アメリカではかの禁酒法時代に飲酒人口が増加した、という説もある。

Dry State(禁酒の州) 
昔はDry Stateは他にも有ったらしいが、今ではグジャラート州(ガンディーさんの出身地)だけである。(他の州は酒税の収入がないと困るのでドライ・ステートをやめた)
私はバドードラ(グジャラート州)に取引先があったので何度も行ったことがある。 
ここでは原則的に酒は買えない、買うためにはライセンスが必要となる。
外国人は酒屋の片隅にいる役人に、身分証明書(パスポート)を提示し滞在場所(ホテルと部屋番号)を登録してライセンスを取得する。有効期限は1ヵ月間で1週間ごとの購入量の上限(ウイスキーなら何cc、ビールなら何本)が設定されている。酒を買うたびにこのライセンスに購入実績が記入され、上限を超えることは出来ない。従ってこの州ではアル中にはなりたくともなれない。このライセンスは外国人には無料であるが、インド人は175ルピー支払ってこれを取得する。
これは非常に気持ちがいいことだ。何故って、タージマハールの入場料は外国人が750ルピーに対しインド人は30ルピーという事実があるのに、ここではその反対だからだ。
但し外国人でもインドで働いていて税金を払っているという証明書があればタージマハール入場も30ルピーでO.K.らしい。

その2に続く